働く現場において、介護職員と利用者の良好な関係の構築はとても重要な課題です。介護はその仕事の特性上、利用者との距離が物理的にも精神的にも近くなりやすいため、一歩間違えるとさまざまな問題が発生します。
そうした問題の1つがセクシュアルハラスメント、略してセクハラです。介護現場で見られるセクハラは、大きく分けると3つに分類することができます。
1つ目は言葉によるセクハラです。おっぱいやお尻など、性的なことを連想させる言葉を無意味に連発してくるものから、直接的に性交渉をねだってくるなどの重度のものまで幅広くあります。言葉によるセクハラは証拠が残りにくいため、なかなか摘発できず、被害者の悩みが深刻になるまで気が付けないということも少なくありません。
2つ目は、物理的なセクハラです。必要以上に身体に触れてきたり、自分の身体を押し付けてきたりなどのように、直接的な触れ合いをもってセクハラをしてくる人もいます。介護の現場ではその仕事の特性上体に触れることも多いため、どさくさに紛れて行ってくる悪質なものもあるようです。
そして3つ目は、見せるセクハラです。自分自身の陰部を見せてきたり、エロ本などの性的なことが書かれた本をみせてきたりなど、視覚を通して不快感を与えてくる人もいます。排せつや入浴の介助時などでは仕方なく陰部を見てしまうこともあるでしょう。しかし、それ以外の時に故意的に見せてきた場合は、セクハラとして訴えることができるので覚えておきましょう。一人で抱えず相談することが大切です。